区切り

登山案内

飯綱山(1917m)

戸隠高原の東を大きな裾野で取り囲むように抱きかかえるなだらかな稜線を持ち、穏やかなそれでいて強い心を持つ大和撫子を思わせる女性的な山である。山荘からの登山には、戸隠スキー場からのルートをおすすめしている。足元を楽しませてくれる草花が多い事と、登りながら景色を楽しむ事が出来るからだ。春は水芭蕉やカタクリをはじめ高山植物のお花畑、夏はヤナギラン、やまははこ、梅鉢草、等など秋にはリンドウ、トリカブト、等など、特に南峰南斜面は四季のお花畑が楽しめる。下山は中社に下りて「神つげ温泉」で汗を流して冷たいビールがなんとも美味い!。ここから連絡を下さればお迎えにも参ります。

コースタイム
山荘ー15分ースキー場ー2時間ーメノウ山ー1時間30分ー飯綱山北峰ー15分ー南峯-10分ー飯綱高原分岐ー2時間ー神つげ温泉

黒姫山(2053m)

戸隠高原の北にどーしりと座っている。頂上近くの七つ池には「黒姫」と云う妙齢の美女が身を投げたと伝えられる池がある。山荘からは大橋、または種池入り口まで送迎します、大橋林道を行く方が朝露に濡れなくていいでしょう。林道は脇道に入らずに本道を行きましょう。林道の終点まで行くと左の唐松林に「登山道」の標識があり、そこからいきなり急登が始まる、火山灰土の道は雨の後などは特に滑るので注意が必要です。やがて右側からの鉢巻歩道と合流します。種池側からの登山道です。ブナの巨木は天然林で豊かなこの山の象徴でもあります。ここで一息入れましょう、この分岐を横切って直進すると稜線伝いの新道を行き外輪の稜線に出ます。また左側の平坦な道を辿ると大ダルミ湿原の側を通って西登山道をとおり七つ池経由で稜線を目指す事になります。おすすめは登りに新道、下りに時間があったら西登山道から鉢巻歩道、種池経由がいいと思います。但し大ダルミ付近は竹が茂って道が通りにくい部分があります。ルートははっきりしています。

コースタイム
車10分ー大橋山荘ーー1時間30分ー林道終点ー1時間ー鉢巻分岐ー1時間  ー稜線ー1時間ー頂上ー30分ー七つ池ー2時間ー大ダルミ

高妻山(2353m)

戸隠連峰の主峰深田久弥氏の「日本百名山」の一つに選ばれ最近特に人気を集め大勢の登山者で賑わっている。長野から登ってくると戸隠に入ったとたんに一番先に目を引くのがこの「高妻山」である。稜線を裾開きに下ろして富士山にも似ている。登山道は戸隠牧場からの往復のピストンルートとなる。山荘からは牧場入り口まで送迎します.。戸隠牧場入り口から舗装された道路を100m足らずで右の砂利道に進む、すぐに左にやや登りの登山道がある。牧柵を過ぎると水音が聞こえてくる大洞沢である。この沢の流れを右に左に辿るルートだ。やがて尾根が迫ってくると沢の分岐があり、鎖場になる。鎖はしっかりしているので頼って大丈夫だ。いずこの鎖場もそうだが鎖にしがみ付かないで、両手でしっかりと鎖を握り両手を伸ばして体を支え、岩に対して直角に近くなるように岩から体を離して立ち、足で登る事が鎖場の通過の方法である。もちろん3点支持、3点確保が原則である。この鎖を通過すると水の流れるガラバを通りルート最難関の「帯岩」の通過になる。ここは大きな一枚岩のトラバースでスタンスはきっちりと切ってあるので岩にすっくと立ち、縦に流してある鎖を次々に辿って行けば何の問題もない。ただ岩にしがみ付くと滑りやすくなるので岩から体を離すことをいつも心がける事がポイントだ。早春や晩秋はスタンスが凍り易いので特に注意が必要である。帯岩の終わりに不動滝の上部を行くがここも鎖場通過の原則を守れば問題はない。水の流れる小岩のガラガラを登ると「氷清水」である。最近のガイドブックや地図に「一杯清水」と記されているが間違いである。ガイドブックの著者も現地取材せずに何方かのガイドブックからの引用やコピーで出版するのでこんな事になるのだろう。この氷清水は高所にあるにも関わらず涸れた事はないし氷の様な冷たさからこの地名が生まれたのだろう。一休みの後もうすぐに一不動である。一不動には「非難小屋」があるが、緊急避難用の物なので最初からここでの宿泊を計画するのは山を歩く者の一人としてご遠慮戴きたい。ここからは快適な稜線歩きになる、と言っても時々絶壁の上部を歩くので充分な注意が必要である。一不動,二釈迦、三文殊と進めて五地蔵(1998m)に着く。ここからの高妻はさらに高さと美しさを増して、先を急がせる。登り下りを繰り返して八丁ダルミ、ここからは一気に急登になり「髭剃り」を登りきると高妻の稜線に出る。足元で待っていてくれた草花が疲れを癒してくれる。もうすぐ頂上だ。頂上からは北アルプスはもちろん南側は富士山、北東側には頚城、上越山塊、北西側に日本海までの眺望が楽しめる。下山は往路をそのまま辿る。
往路を戻る場合は帯岩付近の鎖場での混雑が予想される週末や晩秋の夕方は岩場が凍るので時間的余裕を持った行動をされるよう配慮が必要だ。

コースタイム
戸隠牧場ー2時間ー帯岩ー15分ー氷清水ー20分ー一不動ー1時間ー五地蔵ー1時間ー八丁ダルミー1時間30分ー高妻山頂上ー1時間ー八丁ダルミー1時間ー五地蔵-1時間ー一不動ー2時間ー戸隠牧場

戸隠山(1904m)

戸隠神社の奥社が麓に祀られ、登山口もその奥社の裏手から入る。戸隠の地名の元でもある「神代の昔」神話の中に登場する神々が戸隠神社の夫々の御祭神である。奥社には「天手力男命」中社には「天八意思兼命」宝光社には「天表春命」を中社と宝光社の間に「火の御子社」があり女性の神様「天鈿女命」が祀られている。遠く高千穂の峰より「天手力男命」の怪力によって投げられた天の岩戸がこの地に隠された、とか岩戸そのものが戸隠山であるとか・・・?。そんな事を思いながら奥社社務所の下手から裏に回りこむと登山道の入り口がある。始めっから木の根を階段代わりの急登である。林はブナの原生林で稜線に出ると栂や潅木帯に変わる。やがて頭上に大岩が被いかぶさるようになった五十間長屋に着く。ようやく見晴らしがよくなり沢風が気持ちいい。左に続く道を行く、すぐに百間長屋である。一息入れて身を引き締めていこう右の岸壁に鎖が下がっているがかって山伏や修験者が行をした西窟である。見過ごしてさらに進むと鎖場が続く左に「天狗の露地」がある。ここはかっては美しい栂林の格好の休憩所であったが、崩落して今は岩肌が露出してしまった。土が流されて溝のようになった道に鎖が流されている。鎖場通過は岩から体を離して鎖をまたいで登ると安定する。このあたりから鎖場の連続になる。垂直に近い「胸突き岩」を過ぎると最大の難所「蟻の塔渡り」「剣の刃渡り」と続く。見栄を張らずにしっかりと三点支持を守り安全に渡ろう。ここを過ぎて一登りで「八方睨み」だ頂上ではないが頂上と思っていい。奥社側は切れているので要注意だ、ここからの転落事故死もある。下山は牧場方面に行くが右側絶壁の縁を行くので気を抜いてはならない。この稜線歩きは実に楽しいが景色や草花を見るときは必ず立ち止まってからにしよう。稜線からの転落事故も多い。長い稜線歩きで飽きた頃に一不動に着く。緊急用の非難小屋があり、すぐ下に名水「氷清水」がある。氷清水を過ぎると最後の難関「帯岩」である。下りの岩場は事故が多いので慎重に行こう。この大洞沢を下っていくと戸隠牧場だ。牧柵内に入るとやっと気を抜ける。牧草の干草の匂いが気分を癒してくれる。

コースタイム
県道奥社入り口ー1時間ー奥社ー1時間ー百間長屋ー1時間30分ー八方睨みー2時間30分ー一不動ー10分ー氷清水ー2時間ー戸隠牧場

西岳(2053m)

戸隠連峰の左半分を「西岳」と呼ぶ、ルートが長い事と危険な岩場が多いことから岩登りの経験を持つリーダーがいないと非常に危険なため一般にはお勧めしない。戸隠連峰は難しい登山技術を持っていないと登れない山ではない。初心者でも登れる山ではあるが、慣れているベテランだと言われる人でも事故を起こし易い山である。「難しい山ではないが、危険な山」である。その典型がこの「西岳」。ルートは一般的には奥社側から戸隠山の八方睨みを通り西岳、P1尾根を下り、天狗原、鏡池への下山である。また逆コースでも危険度、難易度共に大差はない。ここでは戸隠山経由を紹介しましょう。八方睨みまでは「戸隠山」を参考にして下さい。八方睨みから左に急降下する細い登山道がこのルートだ。急坂を下りてゆくと栂立ち,岳樺の林の縁を行く。最低鞍部から根曲がり竹の茂った縁と左の崖っ縁の間を行く。本院岳が迫ってくるあたりに地図上に「板倉清水」とあるが解り難いのでこれは当てにしないほうが良い。本院岳を回りこんで再び見晴らしの利く稜線に出る。キレットを超えるとやがて西岳頂上に着く。P1の下山口は間違えないように注意が必要、そのままP2方面に行くと行き止まり事故になる。尾根の東側に小さなケルンがあるので解ります。下降の岩場は特に注意しましょう。鎖はしっかりしているのでスタンスを充分確かめて行動しましょう。この尾根を下り切るまで緊張が続きます。特に下りはじめの帰らずの剣、無念の峰付近、猿の踊り場付近はルートの見落としや勘違いのないように細心の注意が必要、天狗原(地元の人は「おおでえら」と云う人も)に出ると広い牧草地になっている。この草地の左端がルートになっている。

コースタイム
奥社入り口ー3時間30分ー八方睨みー50分ー最低鞍部ー2時間ー本院岳ー1時間ー西岳ー40分ーP1下山口ー4時間ー天狗原ー1時間ー鏡池

五地蔵山(1998m)

一不動明王、二釈迦如来、三文殊菩薩、四普賢菩薩、五地蔵菩薩、六弥勒菩薩 と13佛を祀ってそこを巡りながら修行したのであろうか?。乙妻山までの要所に小さな石の祠が往事を偲ばせる。最近では壊れてしまったもの、雪の移動と共に流されて見当たらないものもあるが祠の側に着くと気持ちが和らぐように思えてくる。この五地蔵山2000mに近い立派な山なのに高妻山の中継点のようになっていて、何とか一つの山として楽しみたいといつも思っていた。「戸隠に生まれて60年、山を歩いて40と有余年、20世紀が終わり21世紀の始まり、この時に何かをしたい」2001年10月永年の想いを決めた。

コースタイム
戸隠牧場ー2時間ー帯岩ー15分ー氷清水ー20分ー一不動ー1時間ー五地蔵ー3時間ー戸隠牧場

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